歴史探訪 in北杜市 〜道志村郷土史を語る会〜

先日「道志村郷土史を語る会」の研修旅行におじゃまして、山梨県北杜市の歴史探訪に行ってきました!

 

郷土史を語る会は、道志村で途絶えていた「どんど焼き」の文化を復活させることを目的に結成された団体です。

現在は、道志村の歴史・文化を後世に伝えていく活動をしています。

(どんど焼きについては[http://www.doshi-cm.jp/?page_id=60]をご覧ください!)

 

道志村を熟知するみなさんとご一緒した研修旅行の様子です。

 

最初に訪れたのは北杜市須玉町にある「陽谷山 正覚寺」です。

 

正覚寺は甲斐源氏の始祖である新羅三郎義光の菩提寺です。

甲斐源氏は、鎌倉幕府を開いた源頼朝も恐れるほどの勢力を持っていたといいます。

 

また山梨県の戦国武将として有名な武田信玄をはじめ、武田氏は甲斐源氏の一族になります。

 

北杜市で活動されている郷土研究会の方々に案内していただきました。

 

お堂のなかに入って、住職さんからのお話を聞きました。

 

立派なお堂です。

住職さんのご厚意でお寺のなかを自由に見て回ることができました。

 

境内のなかで一番歴史があるという鐘楼堂です。

約330年の歴史を刻んでいます。

 

 

かけ足ですが、今度は次のお寺へ〜

北杜市長坂町にある「朝陽山 清光寺」です。

 

清光寺は、先ほどの正覚寺で出てきた新羅三郎義光の孫である源清光が創建したお寺です。

字でお分かりになるかと思いますが、清光の名前がお寺の名前になっています。

 

清光の次男である信義はなんと、武田氏の始祖であるそうです!

正覚寺に引き続き、恥ずかしながら武田氏についての初めて知ることばかりでした(^^;

 

こちらでもお堂のなかを案内していただきました。

 

清光寺のお堂は金色に輝いていました!

その神々しさに自然と背筋が伸びるようでした。

 

正覚寺と同じく、境内には鐘楼堂がありました。

今年の大晦日もここで除夜の鐘が鳴ることでしょう。

鐘の音が聞けなかったことが心残りです。

 

 

お昼を挟んで、次に訪れたのがこちら!

これは何かご存知でしょうか?

 

「三分一湧水」という日本名水百選に指定された湧水です。

この湧水の特徴は写真の中央にある三角形の石です。

近くで見るときれいな三角形をしていることがわかります。

これは水争いが激しい時代、武田信玄の知恵により農業用水を3つの村に均等に分配するために三角石柱を築いたという伝説のある名所です。

1日に約8500トンもの豊富な湧水量があるそうです。

八ヶ岳の豊かな自然の賜物です!

 

 

自然のあとは考古資料館へ!

 

学芸員さんの案内のもと、資料館を隅から隅まで見学しました。

北杜市のある北巨摩地域には遺跡が多くあるそうで、様々な土器や石器が見られました。

縄文・弥生時代の人たちの技術には感服します。

 

次は「谷戸城跡」を見に行きました!

谷戸城は先ほど紹介した清光寺を創建した源清光が築いたとされる城です。

現在はふるさと歴史公園として親しまれているそうです。

 

城の堀が復元されています。

 

 

復元とはいえ、かなりの深さがある堀をつくるのはなかなか大変だと思います。

機械などなかった時代、昔の人たちはきっとすごい体力と根性を持っていたんだと思います!

 

城跡からの眺望はこちらへ〜

 

・・・残念ながら視界は良好ではありませんでした(;゚Д゚)

肉眼では長坂町の街を眺めることができました!

 

ここ谷戸城跡は春、桜がとてもきれいに見られるとのこと。

お花見の時期に訪れるのがオススメです!

 

 

研修旅行の最後は、北杜市郷土資料館の見学です。

ここではとっても興味深い企画展示がおこなわれていました!!

 

それは・・・こちら↓↓

ビールの原料でおなじみの「ホップ」です!

なんとその昔、北杜市では盛んに栽培されていたそうなんです。

今や幻となっている「かいこがね」という北杜市生まれのホップを紹介していました。

 

ごく簡単にホップについてご紹介!

ホップはつる性の植物で1年で7〜9メートルほどに成長します。

ビールの苦みや香りはホップの花によるものであるため、ビール醸造にはホップは欠かせません!現在は東北地方で多く栽培されています。

 

←ホップの花

 

参考:[サッポロビール株式会社]http://www.sapporobeer.jp/book/materials/chapter02/

 

 

そんなホップですが、「かいこがね」はひょんなことから見つかった品種だといいます。

一般的なホップよりも蔓や葉が鮮やかな黄色をしていて、蔓が短いことが特徴です。

 

「かいこがね」の発見当初は、色と貧弱そうな外見から優良種とは判断されなかったそうです。

しかし、ホップの毛花はたくさん咲き、栽培する上での長所が見いだされて新品種となりました。

ピーク時には100トンを超える生産量があったそうです!

当時の主要作物だったんですね!

 

ホップの栽培方法が紹介されていました。

畑に興味がある私にとっては、とても引き付けられる内容でした!

 

資料館の入り口には「かいこがね」が観賞用に植えてありました。

時期的に枯れてきていますが、すごく高く伸びていました。

 

ホップは地下茎(根っこ)を分けることで増えていくそうです。

冷涼な気候を好むということで、来年は道志村でホップを育ててみたいなぁと思いました!

 

北杜市の一時代を担ったホップの歴史はとても勉強になりました。

 

今回の企画展示「幻のかいこがね」とあったように、ホップに限らず幻となりつつある作物は県内にもまだまだあると思います。

 

「このおじいちゃんが育てるのを辞めてしまったら消えてしまう品種」

そんな作物を守り、残していく一助はできないものでしょうか。

 

最近は野菜の「たね」についても関心が集まっており、在来種というものが見直されているといいます。

昔からあるものの良さ。

それを道志村でも見つけていきたいと改めて思いました。

 

 

 

おわりに

 

とーっても充実した研修旅行でした!

久しぶりに村外の地域をじっくりと見ることができました。

またここには書ききれないくらい、バスの車中では道志村についてのお話も聞けました!

 

道志村という地域にどっぷり浸かっても、常にほかの地域のいいところを学んでいく姿勢は持ち続けたい。

これが今回の私の学びです。

 

山梨の再発見となった1日でした!

もっともっと山梨のことを知りたいなぁー(´∀`)

 

 

 

 

文:なかじま[最近指先がかじかんでキーボードを打つのが大変になってきました( ´△`)]