非日常の体験 〜罠猟師体験イベント〜

1月31日(日)にみなもと体験館道志・久保分校にて『罠猟師体験』のイベントが開催されました!

日常ではなかなか関わりのない狩猟の世界。獣たちの気配を読み取り、獣の命をいただく猟師さんの営みを見学しました。

雪のため、1週間開催を延期して当日を迎えました。

道路状況により参加者が減ってしまいましたが、なんとか開催できました。

昨年は「アニマルトレッキング」と題した猟師体験をおこないましたが、今年はもっと踏み込んでシカの解体見学をするという内容に!

ちょっと衝撃のあるイベントとなりました。

 

 

今年は道志でも指折りの罠猟師さんを講師に迎えました!

まずは獣を捕らえる罠の仕組みについての説明です。

くくり罠と呼ばれるこの罠は獣の通り道に罠を埋め、そこを踏んだ獣の足にワイヤーがくくられるというものです。

罠も自作してしまう猟師さん。なんでもできちゃいます。

 

説明だけではわかりにくいと、実際に罠の設置と作動を体験していただきました。

シカの足(デッキブラシ)が罠を踏むと…

「ガチャン!」とワイヤーが一瞬でくくられてしまいました!

強く引っ張っても全然とれない〜

それでも、大型のシカやイノシシはワイヤーを引きちぎって逃げてしまうこともあるそうです。必死の獣はときに人の想像を超える動きや力を出します。

 

罠の仕組みがわかったところで、実際に山を歩いて獣の痕跡を辿ってみることにしました!

さて、どんな獣の痕跡が見つかるかな〜??

 

ありました!

シカの足跡が見つかりました。それもたくさん行き来しているようでした。

実際の獣道に罠を仕掛ける様子を見学しました。

ここを見ろ!と指差す先には…
ここを見ろ!と指差す先には…
くっきりとシカの足跡が残っていました!
くっきりとシカの足跡が残っていました!

シカの足跡からシカが通ったのが最近かどうか、オスかメスか、大きいか小さいか、どちらに向かったかなど読み取れる情報がたくさんあります。

罠猟だけでなく、銃猟の際も見切りといってシカがいる場所の見当をつけるために足跡探しをします。

 

午前はこれでひと段落。

お昼ごはんはシカ焼肉と山梨の郷土料理ほうとうでお昼ごはんをいただきました!

先にシカ肉を食べ過ぎてほうとうが入らない…なんて方もいました 笑

「シカ肉ってやわらかい!」「おいしい!」との感想をいただきました。

固い、臭いというイメージのシカ肉ですが、食べてみればそんなこともなかったりします。大事なのは肉にするまでの捌き方だそうです。

 

まだまだ午後もやります!

お昼ごはんのあとは「シカ角クラフト体験」をしました!

シカの角を好きな形や大きさに切ってキーホルダーをやシカ革のしおりをつくりました!

世界で1つだけの作品です!

ちょっとこだわってヤスリがけをして手触りのいいシカ角に仕上げます。

「学校で自慢しよ!」と嬉しい言葉をもらいました!!

それにしてもいっぱいつくったね〜!

ちなみに猟師さんの作品も持ってきていただきました!

す、すごい…!

 

 

イベントの最後は「シカの解体見学」です。

動物の形をしたままではどうしてもかわいそうと感じてしまいます。

しかし、普段食べている家畜の動物も命をいただき、必ずこうした解体を経て食卓に並んでいることを改めて気づかされます。

こどももじっとシカが捌かれていく様子を見ていました
こどももじっとシカが捌かれていく様子を見ていました

 

 

獣害が全国的に課題となっている現在。

山梨県でも獣害対策に力を入れていますが、劇的な効果はなく被害はおおよそ横ばい状態です。

獣の痕跡は住居のすぐ近くで見ることもできます。

人と獣との生活する世界が重なってきているのを感じます。

 

参加者の方々がこうした非日常の体験を通じて、里山で起きている課題が少しでも日常の関心に近づいたら嬉しいな、そんなことを思いました。

 

 

 

 

文:なかじま[もうすぐ節分!恵方巻って名前はセブンイレブンが広めたらしいですよ〜]